スプリント関連のブログ第3弾になります🏃♂️
今回は超マニアックかつ難解なテーマにチャレンジしてみようと思います←
テーマとしては
「スプリントって加速局面、最大速度局面、減速局面に大きく分けられるけど、加速局面ってもっと細分化して局面分けでできるんやで」
ということで、加速局面に関する理解を深めるテーマを書いていきます!
今回のテーマを選んだ理由としては、自分自身の頭の整理が7割、この概念について少しみんなにも知ってもらおうという気持ちが3割です笑
なので、あまり現場的に役立つ情報を提供できるかどうかは不明ですが、何か本ブログ記事からヒントを得て、現場応用できそうなことがあればぜひ教えてください!
では、早速始めていきます🫵
目次
1.加速局面中にピッチとストライドはどのように変化するのか?
では、加速局面がさらに細分化されるという考えはどこからきているのでしょうか??
この考えは、鹿屋体育大学の永原先生を中心として、いくつかの研究にて明らかにされてきました。
その足掛かりとして、Nagahara et al., (2014)は、21名の男性スプリンターを対象に60mスプリントを実施させ、その加速局面中にピッチやストライドがどのような変化を示すのかを調査しました。
その結果彼らは、ストライドはスタートと同時に急上昇し、おおよそ25歩目でピークを迎える一方で、
ピッチに関しては、スプリント開始から最初の10mで急激に上昇し、それ以降はほぼ一定になるということを明らかにしました。
また彼らはそれに加えて、これら各ステップ毎のピッチやストライドが加速度とどう関連しているかも同時に調査しました。
その結果、最初の2歩目まではピッチと、5歩目から19歩目まではストライドと加速度が関連していることを明らかにしました。
また、16ステップ以降に関しては、有意でないものも含まれますがピッチとストライドそれぞれで弱い相関が観察されました。
彼らはこの結果から、加速局面は大きく分けて3つの局面にさらに細分化される可能性を提唱しました。
具体的には、
ポイント
- 初期フェーズ(スタートから3歩目まで):主にピッチの増大が加速度増大に有効
- 中間フェーズ(5歩目から15歩目まで):主にストライドの増大が加速度増大に有効
- 後期フェーズ(16歩目から最大速度到達まで):ピッチとストライド両方のバランスの良い増大が有効かも
そしてこのような局面が生まれる要因として、彼らは、加速局面中の動作の変化が関連している可能性があると考察しました。
では、加速局面にどのような動作(キネマティクス)の変化が生じるのかを別の研究で見ていきましょう。
2.加速局面を通してどのような動作変化が生じるか?(キネマティクス的観点)
Nagahara et al., (2014)は、加速局面50mを分析対象とし、
身体重心の高さを体重で割った値の推移を加速局面を通じて測定し、その高さが急激に変わる分岐点を参考に加速局面を3つの局面に分類しました。
この加速局面の分岐点を彼らはブレークポイントと名付け、
そのうち最初にくるブレークポイントを1stブレークポイント、2回目にくるブレークポイントを2ndブレークポイントと名付けました。
ちなみにこの研究では1stブレークポイントがくるステップ歩数は4.4 ± 0.9で、2ndブレークポイントが14.1 ± 2.0だったと記載がありました。
では、このブレークポイントを境に分けられる3つの加速局面ではキネマティクス的観点からみてどういった現象が起きているのかみていきましょう。
初期フェーズ
まず前提として、先ほどの研究と同様、こちらの研究でも1stブレークポイントまでの間にピッチが急激に増加していたという特徴が見られました。
そして彼らは初期フェーズでは”接地局面に膝屈曲運動が見られない純粋な伸展動作”と”股関節伸展速度の急激な増加”という特徴が観察されたことから、
初期フェーズで確認されたピッチ増加にはいわゆる「Pushing motion(押す動作)」の強調が伴っていることを明らかにしました。
つまり、一般的によくいわれるStretch shortening contraction (SSC)ではなく、純粋な脚の伸展が起きているという特徴が初期フェーズではみられました。
この現象自体とピッチの急増加との関連性については定かではありませんが、
もしかすると初期フェーズではSSCを活用して一歩一歩で大きな力を生み出すよりも、押す局面だけに集中することで歩数を稼いで(=ピッチを稼いで)トータルの力積を大きくして加速していく方が適しているのかもしれません。
ここで一つ疑問が生まれます。
「初期フェーズでこんなにピッチとストライドが高まって走行速度も高まっていくなら、この走り方を最後まで続ければいいんじゃないの??」
このように思う方もいるかもしれませんが、実際には初期フェーズで観察された動作の特徴をその後の局面でも継続することは困難であると考えられています。
一つには、走行速度が向上していくにつれて地面への接地時間が短くなり、
”接地時間が短い中で大きな力を生み出す上でPushing motionでは非効果的である”ということが挙げられるかもしれません。
二つ目には、この初期フェーズでは体幹は大きく前方に傾斜しており、重力による回転力で身体が倒れ込む力が働きやすくなっています。
それを初期フェーズでは重力に逆らって身体を前に回転させないように保つ(=バランスを保つ)だけの十分な力のインパルスを生み出せていたのが、
1stブレークポイントを境に(何かしらの理由で)生み出せなくなってしまっている可能性があります。
このままでは、バランスを崩して効果的な走行を続けることができなくなってしまいます。
そのため、バランスが崩れるのを防ぐ必要が出てくるため、
”足の接地位置を重心の下に近づけてバランスを保つ戦略を取るようになった”という結果が見られました。
身体重心の下に足が接地されると全体の重心高が起き上がってくるのがイメージできるかと思いますが(上の図の通り)、
これが1stブレークポイントを境に重心高が急激に上昇した原因であると考えられます。
中間フェーズ
先ほどの初期フェーズでは、身体が倒れ込むのを防ぐ目的で足の接地位置を重心位置の下におくようになり、その結果として重心高が高くなっていました。
また、それに加えて初期フェーズでは膝関節の動きは屈曲を伴わない"Pushing motion"でしたが、
中間フェーズに入ると接地時に膝屈曲し、そこから伸展するSSCをするようになりました。
このSSCに動作が切り替わることで、より大きな力を地面に加えることができるようになっている可能性があります。
このSSCを活用して大きな力発揮を可能にしている戦略というのはこの中間フェーズで大事になってくる”ストライドの獲得”に貢献している可能性があります。
実は中間フェーズのピッチとストライドの推移についてみていくと、
中間フェーズでは、ピッチの増加は頭打ちに近づく一方でストライドは増加し続けていくことが示されています。
(そして中間フェーズではこのストライドの大きさが走行速度に大きく関連している)
ストライドの増加というのは地面に発揮される地面反力の大きさによって大きく左右されるため、
SSCを活用して大きな力発揮を可能にすることは、中間フェーズでのストライド増加を支えるメカニズムとして機能している可能性が考えられます。
初期フェーズではSSCを用いた脚伸展運動があまりみられなかったことを踏まえると、
中間フェーズでは初期フェーズとは少し違った戦略を用いて、ストライドを高めている可能性が予想されます。
後期フェーズ
2ndブレークポイントを超えると、頭の位置や胴体の傾斜角度などは安定していき、直立姿勢に近づいていきます。
また、この局面について特徴的な点として、股関節伸展の程度や股関節の伸展角速度が2ndブレークポイントを境に徐々に減少していることが挙げられます。
一方で、この局面においても走行速度は上がり続けており、この局面では股関節の伸展を高める戦略ではなく、
また別の戦略を取るようにして走行速度を高めていることが予想されます。
ではその戦略とはなんでしょうか?
こちらの研究からは直接的な結果はありませんが、おそらく直立姿勢になることで股関節周りの筋の伸張短縮サイクルを有効に使えるようになったことが走行速度増加に関わっている要素の一つとして挙げられています。
どういうことかというと、
胴体が直立姿勢に近づくと大腿部前面の腸腰筋がスイング期前半に伸張しやすくなることが予想されます。
この胴体が直立姿勢に近づき腸腰筋がスイング期前半に伸張しやすくなることがもたらすメリットとしては大きく2つあります。
1つ目は、スイング期後期に伸ばされた腸腰筋はゴムのような役割を果たし、スイング期前半から後半にかけて大腿部を前方に素早くスイングするのを助けると考えられます。
これはピッチ増加につながると予想されます。
スイング期前半に腸腰筋が伸ばされやすくなることがもたらすメリット2つ目としては、反対側のハムストリングス伸張を促進することが挙げられます。
同側がスイング期前半のとき、反対側はスイング期後半にあたり、この反対側のハムストリングス伸張は大腿部の素早い振り下ろしに結びつくと考えられます。
これも先ほど同様スイング時間短縮に伴うピッチ増加に結びつくと予想されますが、それと同時に引き続く接地時に大きな地面反力生成にも結びつき、ストライド増加にも結びつけることができると考えられています。
この観点に関しては以下の過去のポストをご覧ください。
✅スプリントにおける大腿部の角速度の大きさは、地面反力生成に関与する指標と関連することを示唆する報告
またスイング期後半の下肢振り下ろしが速いほど地面反力生成に関与する指標も大きくなるとのこと💥
脚を制御しながら素早く動かす能力は速く走る上で重要かも🤔 pic.twitter.com/OKI9GaQg5g
— 中田 開人 Kaito Nakata / PT CSCS MS (@kaito_stpt) March 26, 2025
ではここまでを一旦まとめておきます。
- 初期フェーズ:足部接地が重心よりも後方で、純粋な膝および股関節の伸展運動で素早く歩数を稼ぐような戦略を取る
- 中間フェーズ:足部接地位置が次第に重心の下に移っていき、胴体の倒れ込みを抑える働きを果たす。また接地局面に膝の屈曲伸展運動が見られるようになり、SSCを活用した走行へと変化する
- 後期フェーズ:胴体がほぼ直立になり、重心が最も高くなる。股関節周囲の伸張短縮のサイクルを利用したスプリントに変化している可能性
3.加速局面にてどのように力を加えているのか?(キネティクス的観点)
続いて運動力学的観点からスプリントの加速局面を同様に細分化できるのかを検証した研究を紹介します。
Nagahara et al., (2020)は、21名の男性スプリント選手を対象に、加速局面中の地面反力変数が局面変化を捉える変数となりうるかを調査しました。
特に垂直方向の地面反力に関しては、
減速局面(前後方向の地面反力が後ろ方向に働いていた局面)と推進局面(前後方向の地面反力が前方向に働いていた局面)の2つの局面に細分化されました。
そして彼らは、この減速局面および推進局面のそれぞれの有効垂直力積の変化を辿ることで加速局面を3つの局面に細分化できることを明らかにしました。
具体的には、
▶︎スタートから5歩目まで
-減速局面の有効垂直力積は負の値でほぼ一定
-推進局面の有効垂直力積は急激に増加
▶︎5歩目付近(6.3 m付近)
-減速局面の有効垂直力積が急激に増加
-推進局面の有効垂直力積が急激に低下
▶︎15歩目付近(24.7 m付近)
-減速局面の有効垂直力積の増加が緩やかに
-推進局面の有効垂直力積の減少が緩やかに
したがって、彼らは5歩目付近と15歩目付近をそれぞれブレークポイントとし、加速局面を3つに細分化しました。
なお、5歩目付近と15歩目付近というのは先ほどのNagahara et al., (2014)の研究で重心高の高さ変化が急激に生じるタイミングとおおよそ一致しており、
運動学的および運動力学的観点の両方からスプリントの加速局面は3つに細分化されることが明らかとなりました。
では次からは運動力学的観点からそれぞれの局面の特徴を詳しく見ていこうと思います。
初期フェーズ
まず、初期フェーズをみてみると、
減速局面の有効垂直力積は負の値を示しています。
これは何を意味しているかというと、自身の体重を支えるだけの垂直方向の力積を初期フェーズの間は生み出すことができておらず、
身体が重力に負けて下方向に倒れ込む方向に動こうとしていることを示唆しています(実際には推進局面の有効垂直力積は正なので立脚期に身体が倒れ込むことはない)。
ヒトはこの不安定な姿勢を支えるために、足の接地位置を重心の前側に配置したりするなどして身体の倒れ込みを防ぐ戦略を取るようになります。
この点については先ほども触れた通りです。
このとき、
「え、身体が倒れ込みそうになるなら無理してそんな前のめりの姿勢なんてとらなければいいのに...」
と思われる方もいるかもしれませんが、
この前のめりの姿勢というのはスプリントで効果的に加速する上で理にかなった姿勢とも言えます。
この前のめりの姿勢は足の接地位置に対して重心が前側に位置していますので、前後方向の地面反力の正味の推進方向の地面反力を効果的に生成することのできる姿勢とも言えます。
実際に今回の研究でも、この初期フェーズにて最も前後方向の地面反力の正味のフォースが最も高く、
ステップを重ねるにつれて指数関数的に減少していくのがみてとれます。
つまり最初の5歩目までは、
「身体が倒れ込みそうにはなるけど、”限られた時間の中で”その姿勢を有効的に活用して加速している」
と言えるかもしれません。
中間フェーズ
中間フェーズに入ると、先述した通り、足の接地位置が重心の後ろから前側に配置されるようになり、安定した姿勢をとるようになります。
足が重心の前側に接地するようになり、前後方向の地面反力における減速局面が増大し、その減速局面における有効垂直力積も急増化しています。
また、時を同じくして、このFirst break pointを境にピッチの増加は急激に落ち着き始めます。
この「減速局面の有効垂直力積が急激に増加」したことと「ピッチの増加が急激に落ち着く」現象が同時に生じていることは何を意味しているのでしょうか??
まず、イメージとしては減速局面が短ければ、その分地面への接地時間も短くなることが予想できるかと思います。
したがって、減速局面の有効垂直力積が小さくなると、その分ピッチを高めやすくなる可能性があります。
これを踏まえると、初期フェーズでは減速局面をあまり大きくしないでピッチを高めることで走行速度を高める戦略をとっている可能性があります。
しかし、この戦略を取り続けることは難しく、初期フェーズのところでも書いた通り、
身体が前に倒れ込まないように足の接地位置を身体重心近くに置くようになり、減速局面の時間が増えていきます。
そして減速局面の時間が増加した結果としてピッチの増加が頭打ちになっていくことが予想されます。
また最初のセクションでも記載した通り、中間フェーズ以降は脚のSSCを活用した動きに変わっています。
みなさんご存知の通り、SSCは”伸張性収縮”→”短縮性収縮”の順番で振る舞われますが、中間フェーズになって減速局面が増えたことは、
接地瞬間時に伸張性収縮を行い、”結果としてSSCになっている”
そんな風に考えることももしかしたらできるかもしれません。
一方で、ストライドについてみてみると、こちらは減速局面の有効垂直力積が大きくなると一緒に大きくなっていく傾向があります。
したがって、減速局面の有効垂直力積が増加する中間フェーズ以降はピッチの増加ではなく、ストライドの増加を主な戦略として走行速度を高めていることが考えられます。
後期フェーズ
後期フェーズに突入すると、身体はほぼ直立状態に近づいています。
姿勢がほぼ直立姿勢に近づくと言うことは、接地の前半では減速方向への力発揮が生成されやすくなることを表しています(中間フェーズから続いていた変化が後期フェーズで完了)。
これを支持するように、
2ndブレークポイントを境に、支持期前半で観察された第一推進局面が2ndブレークポイントを境に消失し、明確に
「支持期前半の減速局面」と「支持期後半の推進局面」に区分されました。
加えて、後期フェーズに入ると前後地面反力に占める減速成分の割合が最大となり、純粋な推進成分は必要最低限となります。
姿勢に関しても、走行姿勢がほぼ垂直になっていることを踏まえると、
後期フェーズで得られる地面反力というのは
「もはやここからさらに加速していくためではなく、むしろ、得られた走行速度を維持するために使われていく」
と考えることができます。
具体的には、
- 接地直後の減速局面でいかに効果的に垂直方向の支持力を発揮できるか(すなわち必要以上に沈み込まず素早く反発できるか)→後期フェーズに近づくにつれてこの要素の重要性が高まってくる
- そして減速局面で得られた力を推進局面に効果的に活用していく(SSCを活用して)※ただし、必要最低限
といった風に地面反力が使われていることが考えられます。
まとめ
今回は加速局面をキネマティクス的観点とキネティクス的観点の両方から3つの局面に細分化し、
スプリントの加速局面では一体何が起きているのか?ということを整理しました。
以下、本記事のまとめです。
キネマティクス的観点
- スプリントの加速局面は重心高の変化で初期フェーズ(1~5歩)、中間フェーズ(6~14歩)、後期フェーズ(15歩目以降)に細分化される
- 初期フェーズでは重心位置に対して、足部接地は後ろにあり、推進力を生み出すのに効率的な姿勢をとっている
- 初期フェーズでは膝および股関節は(SSCではなく)、純粋な伸展様式で身体を加速させている(Pushing motion)
- 中間フェーズでは足部接地が重心位置に近づき、脚もSSC様式で活動するようになる(ストライド増大に有利?)
- 後期フェーズでは姿勢はほぼ直立姿勢に近づき、股関節周囲筋のSSCを活用した効率的な走行に変化している可能性
キネティクス的観点
- スプリントの加速局面は減速局面と推進局面毎の有効垂直力積の変化をもとに初期フェーズ、中間フェーズ、後期フェーズに細分化される
- 初期フェーズでは減速局面の有効垂直力積は低く、一方で推進局面の有効垂直力積は急上昇し、推進するのに最適な地面反力生成していることがうかがえる
- 中期フェーズでは足部接地が重心位置に近づくことが相まって減速局面の有効垂直力積が急上昇し、推進局面の有効垂直力積は急激に減少する(→SSCの活用へ)
- 後期フェーズでは中間フェーズから始まった変化が完了し、明確に減速局面と推進局面に分けれるようになり、獲得した走行速度をいかにして維持できるか?の走行方法へ変化
(自分にとっても)かなり難解な内容だったかと思います。
自分自身の頭の整理が目的でしたが、
今回のブログが何かしらの形(現場や研究)で皆さんの役に立っていれば幸いです。
ではまた!!!
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参考文献
- Nagahara R, Matsubayashi T, Matsuo A, Zushi K. Kinematics of transition during human accelerated sprinting. Biol Open. 2014;3: 689–699.
- Nagahara R, Kanehisa H, Fukunaga T. Ground reaction force across the transition during sprint acceleration. Scand J Med Sci Sports. 2020;30: 450–461.